第1回福岡OSS研究会
Matz九州上陸ということで、ももちまで行ってきた。
福岡産学ジョイントプラザでは、産学連携のもとOSS(オープンソースソフトウェア)による産業振興を図るため、企業の技術者や大学の研究者、又OSSに関心をお持ちの方々による、情報交換、技術交流、マッチングの場として福岡 OSS研究会を立ち上げます。第一回の研究会では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)OSSセンター長 田代秀一氏、株式会社ネットワーク応用通信研究所 (NaCl)代表取締役 井上浩氏、同社研究員でありプログラミング言語Rubyの作者 まつもとゆきひろ氏を講師としてお招きし、ご講演いただきます。著名な方の講演が福岡で聞けるチャンスですので、是非ご参加ください。
たまたま早く会場入りしてたりしたこともあって、開会前のまつもとさんに挨拶し、速攻で名刺交換とRuby本へのサインの約束を取り付けたり。
「OSSの活用のために〜IPA/OSSセンターの取り組み〜」田代 秀一 氏 (IPA OSSセンター長)
OSSセンターの紹介と取り組みということで、http://ossipedia.ipa.go.jp/や事例の紹介、GPLv3の問題点などOSSを利用するために必要な知識などの紹介といった感じ。
特に OSS iPediaといった情報集約というのは、まさに国主導で整備するインフラのためのサイトということで素晴らしいと思った。内容の質と数が順調に行けば問題ないね。
「島根におけるOSSの現状」井上 浩 氏 (NaCl 代表取締役)
島根県および松江市のOSSへの取り組みや成果とNaClの業務の紹介ということで、松江駅前のサテライトオフィスの話だとかNaClの沿革や業務の話とか。
一環として Ruby on Rails統合環境であるhttp://www.railsplatform.jp/の説明とデモでは "Matz日記でも紹介のあった「日本で一番速くWebアプリを作れる男」"を直接拝見した。正直、Railsの最初のムービーでのscaffoldのデモ以外の何者でもないのだけど、RadRailsの日本語化およびマウス右クリックから実行されるプラグイン関係の連携は VisualStudioなどの利用者には、かなりインパクトがあるのでは?と。前の席の数人は「おーっ!!」って感じの反応だったし ;-)
「Rubyのチカラ」まつもと ゆきひろ 氏 (Ruby作者)
トイレ休憩を挟んでのメインイベント。席に戻ると空いてた両側の席も人で埋まってるし、後ろの方も明らかにさっきより人が増えていた。判り易杉だし(笑
正直プレゼン内容は目新しいことはなくターゲットがRuby(or Rails)の名前は知ってる…程度の人を想定してのものらしく、
- 自己紹介
- Rubyの設計・目的
- Rubyの歴史〜世の中の流れがこちらに
- OSS作者から見たOSSの意義
- Ruby言語特性(オブジェクト指向、スクリプト、動的、UI)
- Rubyの適用分野とRubyの力(文法、メタプログラミング)
- Rubyの起源(Lisp,Smalltalk,Perlが祖)
- Ruby発展の秘密
といったところで総括として
ということでした。
個人的にふぅんと思ったのは、
コミュニティ
集団開発でない
集団発想
プログラムの楽しみ
のスライドかな:-)
生Matzは少し早口でキッチリほぼ時間内に収めたプレゼンだったけど、やはりビジネスマンというよりhackerって感じでしたね。会場の雰囲気を乗せて聞かせる魅力のあるしゃべりだったと思いました。
質疑応答
予定10分でしたが、ちょっぴり延長
Q.「九州でのユーザー会に望むことはありますか?」
Matz「そうですね。直接会っていろいろやれるグループが出来るといいですよね」
えー、Rubyist九州は?って後で直接ツッコんだところ「すみませんでした」と謝られてしまいました。
Q.「Lispの紹介のところで『最古・最強の言語』とありましたが、戦うとLispとRubyはどちらが強いんですか?」
Matz「(苦笑いしながら)えー、じゃんけんのようなもので総合的な勝ち負けは存在しないのですが、動的という性質でいうとRubyはLispの足元にも及びません。また生産性でいうと、ほとんどの人がLispで高い生産性を上げるのは難しいと思うので、そこはRubyの方が有利かと。ただし、そのような優劣で言語を設計することには私は興味ないです:-)」
交流会
その後講演会場のとなりの部屋で交流会ということで、参加費無料だったのにビールとか寿司とか何やらの立食パーティー形式の交流会に。最初に共催に名前の入ってる (財)九州システム情報技術研究所の偉い人だかが挨拶してた。「実は当研究所の設立はRubyと同じく1993年に考えられ、1995年に一般に公開されました〜Ruby同様、皆様の益々のご発展を…」などというスピーチの後に乾杯でした。なぜか隣りにまつもとさんが立ってたり。
またも速攻だーってことで最初に本とサインペン持ってきて、まつもとさんにサインをお願いする。その後はゲスト3人さんは名刺交換とか話だとかいろいろ。
Rubyist九州関連では、事前でメールした Mellowtoneの新井さんは体調が悪くて欠席でしたが、id:brazilさんとか藤田さんとかと少しおしゃべりしたり名刺交換とか。特にbrazilさんには、いろんなユーザー会の方を紹介してもらったりでありがとうございました。で、まつもとさんに「 etoさんとか新井さんとhttp://podcastle.jp/のクライアント部の実装をjavascriptでやったbrazilさんです(←実際は本当の名前だったけど)」と紹介したら、「あー(ニコッ)」って感じでJavascriptっ子のbrazilさんてば有名人でした。
そしたら藤田さんとかも集まってみんなで名刺交換大会みたいになったのだけど、すでにまつもとさんの名刺が無くなっていて残念でした。
たむらの総括としては、やっぱこういう集りで刺激を受けるといーよなーって感じで「がんばろっかな」って気分になって来て、『議事録レポート書くまでが遠足イベントです』てことで書いた次第です:-)